2008年10月05日

インド舞踊の夕べ

インドのニューデリー近郊から20名ほどの学生諸君が来日してくれました。ジャワハルナル・ネルー大学の大学院に所属するインド舞踊の研究生達です。インドはインダス文明を始めとして、哲学や宗教或いは数学などを生み出したすばらしい国であり、近年は理数教育に力を入れております。マイクロソフト社を始め世界のIT産業を事実上動かしているのはインド人と言われるのも根拠のない話ではありません。その国が、古典舞踊にも力を注いでいることを始めて知りました。全寮制の大学院大学で、学生も職員も教官も、同じ寮で寝食を共にしながら、研究・教育に励んでいるそうです。

           開幕前。残念ながら撮れたのは最初と最後のみの画像でした。


今回、彼らが演じてくれたのは、インドで発生した仏教がアジア各国を伝わりながら最終地の日本に到達し、最盛期を迎えるに至った過程を6幕の踊りで表現したものです。撮影を禁じられたので、画像で紹介できないのが非常に残念です。2時間ほどの時間があっという間に過ぎ去りました。色彩豊かな衣装ときらびやかな装身具に圧倒され、ダンサーの手や足の動き、目の表情などがとても優美で、観客を魅了します。自然で優美な動きは厳格なルールの下に成り立っているようで、その習得には長い歳月が要求されるそうです。

     ダンサーの衣装の一種です。           千手観音を表現した踊り。
 

インドにはカースト制度や貧富の格差など負の遺産も存在します。にもかかわらず、学生諸君が真摯な思いで学問や芸術の習得に励んでいる姿をかいま見ると、この国の若々しさがうらやましくてなりません。想像するに、かっての明治初期の我が国もこんな姿だったのでは・・・・・・・・・・・。立志、すなわち志を立てるの意ですが、人間の基本的な原動力のようです。彼らの理知的で希望に燃えた若々しい表情を見ていると、我々が失ってしまったものがあまりにも大きいと痛感させられます。

    公演終了のご挨拶です。中央は代表者の芸術学部長で右端は指導教授。



公演が終了した彼らは、通路サイドにたって合掌し頭を垂れながら一人一人の観客を見送ってくれました。アリガトウゴザイマシタ、という片言の日本語と共に。礼に始まって礼に終わる・・・・・・・・・・人間の原点を学生諸君に教えられたような一時でした。感服しました。