2008年06月26日

匠の技

当地はナスの栽培が盛んである。専業農家の数も結構に多い。もっとも、その大半はビニールハウスによる管理栽培で、いわゆる露地栽培をやっておられる農家は自家用を除き非常に少ない。今回紹介するのは、そうした数少ない露地栽培の農家さんである。花街道の途中にあるのだが、70代後半と覚しくご夫婦が二人でやっておられる。水を好むナスの性質にうまく適合させて棚田の一角を米作りではなくナス作りに活用しておられるのだ。

            みごとなナス畑だ。欠株もなく生き生きと成長している。


他の野菜類もそうだが、ナスは特別に水分を好む。それに通風と太陽熱が必要だ。実がなり出すとそれなりに重くなり、枝に負担がかかる。こうした特質を理解した上で対応策を取らねばならない。

          畝間には用水路が掘ってある。時々ここに水を流すのだ。
 

ナスは一本づつ針金で、支柱間をつなぐケーブルへと引かれている。実の重みで茎が垂れ下がるのを防ぐのだ。この対策をやっておかないと、実が垂れ下がり土まみれになって虫や病気にやられやすい。出荷用は色も形も美しく仕上げるのが基本。同じナスでも商品価値がころりと変わってしまうのだ。

             ナスの幹は針金でケーブルに吊り下げられている。

          張り巡らされたケーブル群。整えられたナスが一列縦隊だ。


田圃の畝間を回ってきた水は、ナスに十二分に吸収される。そして最後は用水路に落ち、次の田圃へと移動するのだ。同じ水が幾つもの田圃をうるおし、最後は川となって下流の街の水源となる。肥料や農薬に神経質にならざるを得ないのである。


                   ここから用水路へと落ちていく。



それにしても見事なナス畑である。ナスの特性を理解した上での植えつけ、支柱やケーブルの張り巡らし、水の流水通路、肥培管理・・・・・・何をとってもプロの技としか言いようがない。我々もナスを作ってはいるが、なかなかここまでは出来ない。毎日、車で横目に見ながら走っているが、ため息が出るばかりである。



耕作者は70台後半と推定しているが、経験を重ね、幾つになっても現役で活躍できるのは実にすばらしい仕事である。60歳とか65歳とか、定年の議論が喧しいが、本来は死ぬまで現役というのが理想だろう。もっともその前提には、各位の好むところと適するところ、という条件をクリアーする必要があるのだが。
  
              何度見ても惚れ惚れする。いい光景だ。




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この記事へのコメント
こんにちは!

このナスは、もしかして水茄子でしょうか?
もしそうだったら、高価であること、納得です!

普通のナスであるとしても、ここまでされているとは知らなかったので驚きました。
商品つくりは大変なんですね!!
Posted by 森のどんぐり屋 at 2008年06月27日 10:51
始めまして。毎日蒸し暑いですね。

今も名人のナス畑を眺めながら帰宅したところです。ここは記憶が正しければ通常の長ナスだったと思います。当地はナスの専業が多いのですが、大半がビニールハウスでの栽培です。ハウス内での農薬使用で健康被害もあるやに聞いてます。

露地栽培は天候や管理の難しさがあり、商品栽培は困難だと思うのですが、黙々と継続されてます。信念を持った耕作に敬服する次第です。あやかって小生もナスを作ってはいるのですが、虫にやられたり、色あせしたり、大小さまだったり・・・・・・・・商品には無理ですね。

周囲の師匠達に教えを請いながらボチボチとマスターしていきます。今後ともよろしくお願いします。
Posted by とんびとんび at 2008年06月27日 17:12