待望の稲刈り始まる

とんび

2010年10月26日 05:07

食料の生産とは、人間にとって為すべき重大な責務の一つでは・・・・・最近妙にそんな感慨に捕らわれる事がある。農作業は趣味の領域でもあるのだが、こと米の生産については格別な想いにかられてしまう。今からおよそ2000年程の昔、大陸か半島かよくわかりませんが稲作技術を携えた弥生人達が渡来してこの地に米作りを広めたのでしょう。以来、延々と続けられてきた米作りによって日本人は生きてこれた・・・・そう思いますと感謝の念に落ち着きます。最近米の消費量が落ち込み価格も低迷し、生産者もモチベーションの高揚に難儀しておられるようだが、米無しでは日本人の存在は考えられないでしょうね。


                田圃の一部です。立派に実ってくれて、有り難う。
     
           獣害にも台風にも遭わず収穫期を迎えた餅米、頭を垂れています。
     

さて脇道の話はさておきまして、我々の米チームも待望の稲刈りシーズンとなってきました。天候を見定め、諸道具を借用し、皆の時間配分を調整して日程を組んだものの、1日前が朝からの雨。イヤな予感で出動したものの、やはり田圃はぬかるみ状態でした。あえてバインダー(稲刈り機)を動かしたものの、1/4も出来ないうちにダウン。バインダーがぬかるみに車輪を取られ前進できないのですね。おまけに刈り取った稲穂が泥んこになります。これでは、と言うことで作業中止。とりあえず刈り取った分だけは稲木に掛けようとハザ掛けの段取りに。結局、餅米の分だけがかろうじて刈り取れた状態でしょうか。


          ここらは未だ地面が固い方でした。バインダーも動いてくれました。
    
           ハザ掛けしようと準備中のKさん。正三角形の足組は難しいですね。
    

師匠からも忠告されたのですが、天候の見極めと田圃の湿り具合での作業判断が甘いとの事でした。稲刈りしようと思えば事前の水抜きを実施した上で、尚、3日程度は太陽光で田圃を充分に乾燥させた方がいいとの判断でした。我々の場合、1日前が短時間でしたが集中豪雨的な雨でしたからね。何年も米作りをやっておきながら、初歩的なレベルで躓いてしまったようです。それにしても農作業はお天気次第、改めて実感致しました。


            やっとこさでバインダーを引き上げました。ぬかるみ酷し。
    
               餅米はなんとか全量がハザ掛け可能なようです。
    

バインダーが使えない隅切りや外周部は手刈りで実施したのですが、結束するのに四苦八苦。バインダーなら刈り取りも結束も機械が自動的に処理してくれます。機械の利便性に頼り切ってますと、イザという時に応用が利かないのですね。どうやって結ぶのだったっけ、準備した稲ワラを持ってオロオロする始末。長年、農に携わってきた大先輩方は流石に違いました。体が覚えておられるようで、正統派の稲のくくり方を伝授して貰いました。      


             日暮れて道遠し、1日作業してなんぼも進捗せず、でしたね。
    

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