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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2010年12月02日

惻隠の情

当地に寓居を定めて20有余年、すっかり地域にも溶け込んできたかと思えるが、今も尚感心するのが人々の優しさ。それも表だって現れるのではなく、ごくさりげなく。誰も気づかぬような場所で遭遇すると、思わずほっこりと身も心も暖かくなってきます。山里に暮らす人々が生活の厳しさの中から自然と身につけたものなのか、生来の本性なのか、その来歴はよくわかりませんが、風土と暮らしの中で何時しか備えられた特性のようでもあります。晩秋ともなりますと冷え込みが激しく、山の小鳥たちも食べるものに不自由するようで、庭先にまで進出して参ります。其処彼処に柿の木が植え込まれていますが、大半の樹に実がついたまま。どうやら全部を収穫しないのが地域の習わしのようです。


              これは野生種の渋柿ですが、こんな光景が其処彼処に。
     惻隠の情

此処にも力関係があるようで、弱肉強食は世の習いのようでもあります。ただ人間界と違って極限まで行き着く事は少なく、追い払って満腹すれば退散するようで、その後追われた立場の者がゆっくりとついばんでおります。生活の叡智のようでもありますね。ひょっとしたら人間よりも優れた共生能力を持ってるのかも知れません。一族の栄華の為に大砲をぶっ放して殺戮を繰り返すような、どこかの将軍様とは雲泥の相違のようです。小生も見習って少々の柿の実を残しております。ヒヨドリありメジロ有り、雀にムクドリに時にはテンまで出没しております。テンが柿の実を食べるとは存じませんでしたが、器用に登って囓っておりますね。残念ながらカメラは間に合いませんでしたが。雑食性で鳥類も食するようですから、来訪の小鳥達を狙ったのかな。


               暴れん坊のムクドリが立ち去ると早速にメジロの来訪が。
     惻隠の情
                  メジロが立ち去るとスズメの出番のようですね。
     惻隠の情

散歩が好きなもので、界隈を歩き回る事(誰ですか、「徘徊」などと陰口言ってるのは)が多いのですが、道路際にさりげなく花々が咲き誇っておる場面にしばしば遭遇します。ガードレールを越えた僅かな隙間に、1本、2本・・・・。状況から見て野草ではなく何方かが植え込まれた栽培花のようです。恐らく道行く旅人のために、「お疲れ様。今日も元気で旅路を続けて下さいね」、そんなメッセージが込められているのではなかろうか。民家から遠く離れた場所での遭遇だけに、人々の床しさと優しさに胸が熱くなってきます。山里で暮らす農林業の人々、決して豊とも思えぬ暮らしぶりながら、その胸中には広大な思いと優しさとが充満してるようでもあります。「人間って何だろう」、ついそんな感慨に捕らわれてしまいますね。


          コウテイダリアのようですね。道路際の僅かなスペースに植え込まれて
          おります。旅人への愛のメッセージなんでしょうか。
     惻隠の情
                  おやおやこちらにも。今が最盛期のようですね。
     惻隠の情 

晩秋から初冬へと季節は変わります。寒さと冷え込みは激しくなりますが、人の思いと情けは暖かく、暗夜に一灯を掲げながら歩き続ける勇気を与えてくれるようです。     


          錦秋が山から里へと降りてきました。当地の小道の周辺は今が盛りと
          真っ赤や真っ黄となった雑木林が見頃です。
     惻隠の情    
              こんな光景に包まれながら散歩できる幸福にただ感謝。
     惻隠の情
                  土手の傾斜地にも赤い絨毯が広がっています。
     惻隠の情

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この記事へのコメント
バイタリティ溢れる活動の記録を時折拝見いたしております。
名前がわからずにずっと気になっていた花がコウテイダリアとわかり、もやもやのひとつがお蔭様で解消されました。ありがとうございます。
Posted by taka at 2010年12月06日 19:13
お早うございます。お立ち寄り有り難うございます。

コウテイダリアは最近人気の栽培花のようで、あちこちで見かけますね。
数年前ですが、ユリにも似た大きめの花に驚嘆し、知人に教えて貰ったのが最初の出逢いでした。

記述しましたように、当地では道路脇の空地に植え込まれており、植栽された主の方の心情をおもんばかって記事としたものです。

桜守ならぬ花守が多々いらっしゃるようで、この国もまだ捨てたものではないなと安堵致しております。
Posted by とんびとんび at 2010年12月07日 06:56
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