2008年10月17日
悲運の落城
勝負事に勝敗はつきものだが、全うに戦った結果であれば例え破れても悔いは残らないだろう。だか戦闘外の思わぬ理由で敗北を遂げたとあれば、悔やむに悔やまれず、無念の思いが残るだろう。ひょっとしたら化けて出るかも知れない・・・・・・・・というのはともかくとして、不慮の死を遂げたのは事実である。かってレポートしたセグロアシナガバチの事である。実は所在地が師匠の畑との境界であったため、警告の意味でハチの巣のことを話しておいた。すると師匠は躊躇することなく秘密兵器を持ち出し、一瞬の間にシューである。2~3メートルは飛ぶような強烈な兵器で、まるで火炎放射器のような感じだった。1~2度ピクピクと動いたが後は静寂の世界、殿(女王?)を始め一族郎党がこぞって壮烈な戦士を遂げられたのである。何の意識もないままに。
巨大な蜂の巣城。全員が意識せぬまま壮烈な戦死を。
師匠に話を伺うと、ここらの集落ではマムシと蜂の巣は見つけ次第にたたきつぶすのが村の流儀だとか。街に住まれる方からは、何と残酷なことをと非難の声が出るかも知れない。だが自然界の中で、動植物との共同生活をやっている村人からすれば、命をねらわれる危険性が存在する。攻撃は最大の防御、という戦陣訓をご先祖様達から引き継いで暮らして来ているのだ。現に、師匠も何度かハチに刺されており、へたをするとアレルギー症状でのショック死と言う可能性も否定できない。街の住人のように、他人事のきれい事だけ言ってはおれないのだ。
小生の畑のすぐ近くに師匠の田圃が存在する。そこで稲刈りの最中にマムシが出現したそうだ。大きさから見て2年目くらいの奴と思われたが毒性は親と一緒とのこと。無論、即座に死刑執行とあいなった。マムシは人間の体温である37度位を好むそうだ。従って短靴半ズボン等で野山を駆け回る子ども達はねらわれやすい。一般の蛇は向こうが先に逃げ出すが、マムシはとぐろを巻いて攻撃態勢を取る。ジャンプもするので、長い竹竿などで対抗するのが良さそうだ。ねらい目は頭、強打してたたきつぶすのが一番だろう。師匠などは手持ちの鎌でグサリとやられるが、小生達にはとてもそんな度胸はない。
9月~10月頃は雌の産卵期にあたります。他の動物でも一緒でしょうが、産卵期は気が立っていますよね。近寄らないのが一番です。11月にはいれば、彼らもぼちぼち冬眠にはいるかと思いますので、もうしばらくの用心が必要でしょうね。マムシにしてもハチにしても、ある意味、人間界と自然界との境界線上にいるようです。「これより先我らの世界、はいるべからず」、との門衛の役割を果たしているのかも知れないですね。