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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年02月06日

新しき日本人

黒姫の赤鬼といったら桃太郎伝説でも想像されるだろうか。ご存じの方には著名すぎるほどの人物である。信州黒姫に居を構え森作りに邁進されて数十年にもなられるだろうか。英国ウエールズ出身のCWニコルさんである。著書を読まれた方もおられるのではなかろうか。現在は帰化されて完全に日本人となってしまわれた。彼が祖国を捨て日本人になってしまったのは、日本の森に惹かれたのと武士道に心酔したのが原因のようだ。彼はこの両者が日本人のアイデンティティー (ピンと来ないですね。根っ子とでも表現しましょうか) を作り上げていると洞察しておられる模様。確かに森の人として日本人は暮らしてきました。森を開き、森を守り、農耕に活用し、屋敷林を作り、林産物をいただき・・・・・・・・・・・森とは切っても切れない仲でしたね。でした、と過去形で語らねばならないのが辛いところではありますが。


        黒姫山ではありませんが、赤鬼が好んで住むような美しい山ですね。
新しき日本人


日本に惚れ込んだ赤鬼が怒っています。日本人はアイデンティティーを失ってしまったのではないか、と。残念ながら森と武士道、いずれも縁遠い存在となってしまったようですね。昭和20年の敗戦までは、まだしも日本人の体内に息づいていたように思っております。だが戦後の復興の過程で意図的に為されたのか、体内から消失されてしまったようですね。経済至上主義とも呼べる風潮が輪をかけたのでしょうか。拡大造林という針葉樹の一斉植え付けはあったものの、広葉樹林への配慮は皆無に近かったようです。それと化石燃料への転換という燃料革命の影響も大きかったのでしょうね。


       海原の上に雲海が広がっています。雨上がりならばの風景です。
新しき日本人


戦後60有余年、最近は徐々にですが変化しつつあるようです。各地に森林ボランティアの集団が多数発生してきております。集団に所属する人々は営利を求めるのではなく、森林の公益性に着目して活動されているようです。報酬が出るわけでも自身に見返りがあるわけでもないのに、リスクを背負いながら日々汗を流す。ある意味、これは一種の武士道ではなかろうかとも思ってしまいます。


         広大な大平原を思わせますが、れっきとした国内の光景です。
新しき日本人


講習会を通じてトモロスに所属する人々と話を交わしてきました。屈託のない笑顔で山仕事の楽しさを語る彼らから、意気込みや気負いや観念的な理論展開は感じられませんでした。ただ素直に山仕事を楽しんでいる・・・・・・・そんな風情のみなんですね。この自然体がたまらなく素敵でした。どうやら全く新しい日本人が出現しつつあるようです。近隣諸国や一部のマスメディアからは無茶苦茶な評価をされる日本人ですが、自信を持って生き抜いてもいいのではなかろうかと思います。もう少し時間があればCWニコルさんの怒りも喜びに代わるのでは・・・・・・・・・・そんな心証をいだいた人物達でした。共に活動できる日々を楽しみにしたいと願っております。


      一つの時代が終わり、新しい日本人が出現しつつあるようですね。
新しき日本人

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この記事へのコメント
マスコミは筆の暴力を時には犯しますね。
翻弄されがちな私は、しっかり自分の目で見据えないと恐いです。
鬼さんの記事も読ませて頂きました。
大江山の酒呑童子。
近くに縁がありますので聞いたところ、鬼は外国人ではないかということです。 鬼の岩や(小さなほらあな)や鍋塚と言われる山も行きました。
懐かしいです。
Posted by 乙女椿 at 2009年02月06日 07:29
大江山には行かれましたか。残念ながら小生は前面道路を走っただけです。各地の鬼伝説地を巡ったら、柳田国男の世界で楽しいでしょうね。昔は日本海側が表口、外国人説もあながち誤りとは言いかねないようですね。

ちなみに当地の鬼地名の集落では、鬼面を作られる作家の方が住まれています。なんとも不思議なご縁のようです。

丹後の国まで行きますともう少しで因幡の国に出雲の国、神話を始めとして民話の広がる世界です。歴史の里をゆっくりと旅してみたいのですが、なかなか思うようにはいきません。乙女椿さんは丹後も行動半径の内ですか、すごいパワーですね。
Posted by とんびとんび at 2009年02月06日 21:05
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