田舎暮らしはとんびの里で　Ｖｅｒ１

富田林の山間部にサパーファーム（農業公園）が存在するが、ここの一角に直売所がオープンした。サパーファーム自体が農産物の生産地でもあり近隣地域では農家が大半である。いわば潜在的な地盤は整っていたのだ。最近の食の安全志向を考慮すると一つのビジネスチャンスと考えられたのだろう。生産者も消費者も、両者にとってメリットのある事業だ。まずは生産者側から見ると、少量多品種栽培の零細農家に現金収入の道が開ける。消費者と対面しながらの販売は意欲と消費トレンドを呼び込むだろう。翻って消費者側には、食の安全確保という側面がおおきいだろうか。昨年の毒入り某国産食品に振り回された苦い体験から消費者は賢くなったようだ。近辺の直売所は何処もたいそうな賑わいとなっている。消費者の方は、新鮮で安全でしかも安い食材を探し求めておられるようだ。

　　　　　
　　　　　　　　　　新規にオープンした直売所です。店名はにこにこ市場。


　　　　　直売所は農業公園の一角にあります。富田林の東部地区の山間部です。



農に携わる一員として発言させてもらえば、直売所はもっともっと活用して欲しい施設である。食糧自給率が４０パーセントにしかならない我が国、安全保障上も非常に危険な状態である。北国から物騒な物が飛んでこなくとも、食料で干し上げる事は可能なのだ。戦上手と言われた豊臣秀吉が好んで用いた戦法もこの手である。
直売所を活用してもらうと農家に直接現金がはいってくる。しかも中間業者がないだけ実の実入りも大きいのだ。逆に価格で考えると少々安くしても採算が合うとも言える。農家を元気づけるのが自給率アップの第一段階、それにはとにかく現金が農家に回っていくような仕組みが必要なのだ。食材は直売所で購入していただき、おいしかった、と一声かけていただければ農家の人間はどれだけ勇気づけられることか。

　　　　　　　　　イチゴは当地区の特産品です。今がシーズンでしょうか。

　　　　　　　　　　　　　　　青物野菜、やはり鮮度が全く違いますね。



農家が一般の流通に生産物を乗せようと思えば、規格の調整を行わねばならない。早い話が流通が扱いやすい形態に揃え、合わない分は廃棄処分とすることである。余分な手間暇と膨大なロスが生じてしまう。直売所システムでは、採取した物をそのままで販売できる、その分価格が安価であっても採算ベースにのってくるのだ。零細農家は小さな田畑で小規模の栽培を行っている。大量生産に伴う農薬散布などもあまり必要ないし、自家用がメインなので安心も出来る。生産者の顔は見れるし地場で取れたものを消費するのは体にとっても理にかなう。地産地消、三里四方に医者いらず、医食同源、身土不二・・・・・・・・・・古来からのご先祖様の智慧が、全てを物語っているのではなかろうか。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　店内風景の一部です。





店内を覗いてみたが、季節の野菜が中心のようだ。大半が近隣の産物である。米や加工食品や切り花や果樹や鶏卵なども並んでいる。この地区はイチゴの大産地、今がシーズンのようでパック詰めがてんこ盛りであった。近くのハウスではイチゴ狩りも実施されているので覗かれたらいかがだろうか。無農薬栽培の巨大イチゴが上品な甘さをもたらしてくれますよ。個人的な偏見に基づけば、１位がイチゴ、２位が鶏卵、３位が果実、・・・・・・・・といったところだろうか。好みの問題だが加工食品の餅類はパスしたい。そうそう、ここにも米粉パンが並んでいました。米の消費拡大にも繋がりますので、米粉パンのお試しを是非一度。

　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　米はヒノヒカリのようです。当地区では多い品種ですね。