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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年10月03日

鬼が住まいし山の里

当地には数十年前まで「鬼住」との地名を持った集落が存在した。現在は別の地名となっているのだが、不思議なネーミングに惹かれ興味津々であったが故事来歴等もわからず疑問のままであった。このたび、不思議なご縁で親しくなった地元の古老に率直にぶつけてみた。この方、立派な顎髭を蓄えた人品卑しからぬご老人でブロガーでもある。最も、ブログの内容は全部料理が素材で自宅の夕ご飯が対象物のようだ。何ともユニークなキャラクターである。彼答えて曰く 「昔ここには鬼が住んでたんや」そう言ってニヤリと笑い、鬼とは多分山賊やと思うけどな、と付け加えた。

                   この谷間の奥深い場所に鬼の里が。
           鬼が住まいし山の里
               鬼の里には、この少々薄暗い樹林帯を抜けていきます。
     鬼が住まいし山の里


彼の説には納得できるような気がする。最も、山賊が職業として成り立つかと考えれば半信半疑の面もありうるが、最近流行の塩見直紀さんの「半農半X説」に従えば成立も可能かな。つまり平常は農林業に従事し、旅人が通行して金品の可能性があり得るときは山賊にとの兼業形態である。最も、山賊がミッションかと問えば、塩見氏には叱られそうだが。
ここは環境が素晴らしい、いかにも鬼が住んでたと言っても信じられそうな雰囲気である。山深い谷間の位置にあり、鬼が洗濯に使ったと聞くタライまで残されている。


                    鬼達の洗濯地を表示してくれています。
     鬼が住まいし山の里
                   昔、この附近で鬼達が洗濯をしたそうな。
     鬼が住まいし山の里


じゃあ山賊としての稼ぎ場所はと探索すると、麓には高野街道や五条街道が存在し、ちょっと足を伸ばして荒稼ぎし逃げ帰るにはかっこうの距離である。最もこれは小生の推測で、実際に稼ぎに走り回ったかどうかは定かでない。ご老人との話がおもしろく、つい数百年の昔に飛んでしまう。現在は無論そんな事態は考えられず、ごく普通の方々が普通に暮らしておられる。集落を歩き回っても鬼の欠片も存在しない。


              鬼達の故郷でしょうか? 山深い隠れ里のような趣ですね。
     鬼が住まいし山の里
          山間のそこかしこに民家が点在します。森に埋もれた桃源郷のようでも。
     鬼が住まいし山の里


各地には鬼伝説がたくさん残っているようだが、代表格は桃太郎伝説や大江山の酒呑童子であろうか。彼の地の鬼の正体は不明だが、農耕に従事した里人とは生活形態を異にする集団であったことは確かだろう。山の匠である木地師や砂鉄での製鉄を行ったタタラ師など、農耕民族とは異なった生き方をする人々も多かったようだ。生活形態が違えば考え方も生き方も異なり、価値観が違って異なもの即ち鬼との発想も生まれたかも知れない。現在でもあり得る現象である。


                 この方々なら過去の歴史もご存じでしょうか。
     鬼が住まいし山の里


当地の鬼が住まいし山里は紅葉の名所でもある。時期的にはもう少し後になるが、紅や黄に染まった集落や裏山は見事である。まさに日本昔話の世界のようで、鬼の伝説など思い出しながら、焼き芋でもほうばって山歩きを楽しみたいものです。


         清流は清濁併せ飲んで何も語らず?  今も脈々として流れ続けます。
     鬼が住まいし山の里










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Posted by とんび at 05:08│Comments(0)里山に遊ぶ
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