オオサカジン

  | 河内(南河内・中河内)

新規登録ログインヘルプ


金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年11月01日

米作りについて

米作りを始めてかれこれ5~6年にもなるだろうか。最初のきっかけは些細な事だった。元々が野菜作りが好きで、たまたま近場で耕作していたチームメンバー、暇さえあれば集まってお茶しながらだべっていたものだ。その中に若干年配のAzじいさまも含まれていた。地元の農家の方だが、余所者の我々とも気さくにつきあって、耕作のノウハウなどを伝授してもらっていた。何時とはなしに身の上話となって家庭の内部事情なども薄々とわかってくる。どうやら娘さんとお婿さんは学校の先生で、農作業の意欲も時間も為さそうとのこと。彼は代々続いてきた米作りを自分の代で終わらせることに大きな危機感を抱いておられたのだ。当時我々には米作りをしようとの野望は持ってなかったのだが、彼の心情を察するについ余計なこととは思いながら手伝いましょうかとの話になってしまった。彼も長年の付き合いで我々の状況を良く理解されていたようだ。


                脱穀の後始末に取りかかるリーダーのU氏。
    米作りについて


本来であれば一族の力で米作りを継続したかったのだろう。諸般の事情でそれが叶わず、たまたま近くにいた我々を信ずるに足る相手と解されて将来を託されたのだろう。ど素人の我々が米作りにチャレンジする・・・・・・・・我々もビックリ仰天だがAzじいさまも不安で一杯だったと思う。たまたまU氏が米作りの体験があってノウハウを蓄積されていた。じいさまも1~2年は心配そうに見回りに来ておられたのだが、安心されたようだ。最近は信頼して任せっきりとなっている、体調不良もあるようだが、少なくとも米作りの不安は消去されたようだ。


         脱穀が終了して田圃が広々としています。野ウサギの遊び場かな。
    米作りについて
     

古来、人の踏み行うべき道として、「仁・義・礼・智・信」の五つの徳目が伝えられて来ました。先人達の教えに従いながら米作りを考慮するとき、果たしてAzじいさまの願いに添えてるだろうかとの不安に駆られることも多々あります。一応米は収穫出来るほどの腕にはなりました。じいさまの想いは、米を作って田圃を荒らさないでくれ・・・・・・・・・・・・・・・・果たしてそれだけだったのでしょうか。棚田に稲穂が実りアカトンボが飛び交う様は、日本人にとってまさに魂の原風景と言っても過言ではないでしょう。数百年或いは数千年に渡って営々と続けられた米作り、ご先祖様達が苦労して切り開かれた田圃がいつの間にか原野へと変貌を遂げつつあります。こうした状態に歯ぎしりしながら身を震わせていたのがじいさまの姿だったのではないだろうか。彼は自分の田圃だけを心配したのではないだろう。


          貴重な農業資材の稲藁です。早速皆で分配することに。
     米作りについて


余談とはなりますが、先日拝見したテレビで、福井県大飯町の診療所で地域医療に取り組む中村伸一医師の奮闘記がありました。自宅で最後を迎えたい・・・・・・・・・お年寄りの願いと想いを実現しようと在宅医療の実現に日夜努力を続けられる姿には頭が下がる思いです。私生活など全くないような状況で周囲を巻き込み、24時間体制とも思える奮闘でお年寄りの想いに応える、常人のなせる技ではないでしょう。彼をそこまで駆り立てるのは、「想いに応えたい」、という自らが持つ深い想いではないでしょうか。大半の人々が私欲に駆られ利の追求に走るのも強ち否定は出来ません。だがそれだけで人は満足し何得できる存在でもなさそうです。中村医師の後に続こうとする者も多々おられるようですね。
米作りで我々は単に米を収穫するだけで満足してはいないだろうか、Azじいさまの想いを真摯に受け止めているのだろうか、内省と周囲への洞察が必要不可欠で緊急な課題のようです。   


       昨日持ち帰った分の残りは積み上げておきます。じいさまにも届けなくては。 
     米作りについて
         頂いた稲藁はビニールでカバーしておきます。西瓜用には最適です。
      米作りについて

同じカテゴリー(米づくり)の記事画像
ぼやき話も出ますわな
トラクターは何処へ(2)
トラクターは何処へ(1)
小さな商いを
脱穀作業が花盛り
戦い済んで日が暮れて
同じカテゴリー(米づくり)の記事
 ぼやき話も出ますわな (2010-12-14 05:07)
 トラクターは何処へ(2) (2010-12-04 05:10)
 トラクターは何処へ(1) (2010-11-30 05:05)
 小さな商いを (2010-11-23 05:03)
 脱穀作業が花盛り (2010-11-13 05:14)
 戦い済んで日が暮れて (2010-11-04 05:13)

Posted by とんび at 05:08│Comments(0)米づくり
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。