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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2010年02月01日

石垣の崩壊

棚田の美しさはその積み上げ方にあると聞く。確かに細長い狭隘の土地が曲がりくねって積み重なってる様は、何とも言えぬ美観である。先人達の労苦の賜だが、後の世の人のメンテナンスによる功績も大きいだろう。何百年と大事に管理され守られてきた棚田・・・・・・・・・・それが一端災害等によって崩れ出すと手に負えなくなる。大半の棚田は石垣積みだが。この技術を継承される方々が極めて少ないようだ。従って小規模な補修などはまず期待できないようである。以前にテレビで拝見したのだが、四国の吉野川流域では棚田専門の石工集団が健在でおられるとか。当地ではまず期待できない話である。どうするのか、いわゆる工務店に依頼して、コンクリート工事とならざるを得ないようだ。残念な話だが、コンクリートは耐用年数が極めて短く、200年もすれば跡形もなく消え去ってしまうとか。

  
            石垣を積まれた棚田、石の性質をうまく組み合わせていますね。
     石垣の崩壊

棚田に積まれた石垣は数百年以上の歴史を持つ。当地の棚田がいつ開発されたのか不明だが、楠公さんの時代には米の生産が盛大に行われ、楠木軍団の経済的基盤となったようだから、推定でも800年以上位にはなるのでなかろうか。その間、石垣は持ってくれているのである。コンクリートでは考えられない話であろう。


         棚田の石垣が崩壊しました。師匠も石垣を積もうと考慮されたが・・・・・・・
     石垣の崩壊
           結局は重機とコンクリートによる何時もの工法が・・・・・・・・・・・・
     石垣の崩壊

石垣について、特別考えた事もなかったのだが、師匠の田圃が崩壊してコンクリート擁壁の工事が始まってみると、?????・・・・・・・・・・・・つい考え込んでしまう。自然石を使った石垣は頑丈で水はけも良く見た目の景観も美しい。棚田風景の定番とも言える位で、これがコンクリート擁壁に変化すれば美観もさることながら、工事を定期的にエンドレスで継続しなければならないのではなかろうか。もっとも、その方がGDPの数字を大きくして国家経済に貢献するとの、本末転倒の考え方も無きにしもあらずだが。バカな発想は止めにして、素直に長期間の用途に絶えうる自然石の石垣復活を期待したいものです。対応策は、石工と呼ばれる職人集団が、それなりの社会的評価と経済的処遇を担保されることだろう。


         土の色が違います。先人達は耕土と底土を明確に使い分けてました。
     石垣の崩壊

何時の頃だろうか、金の卵などと煽てられて地域の集落社会から分離され、核家族があたかも時代の先端であるかのような幻想を振りまいて、囲われてしまったのは。働くことの意義は、己の存在が地域社会に役立って、己自身も成長できて、しかもそこそこの報酬を得て家族を養える・・・・・・・・・そんなささやかな営みにあったのではなかろうか。ベルトコンベアーの前で反復作業を繰り返したり、金融商品とかを売りまくったり、・・・・・・・・・・・・肉体の切り売りや人の欲望に付け込むような事ではなかったと思うのだが。大工の仕事にはとても憧れる、同じように石工の仕事に憧れる若者も存在するのではなかろうか。勇躍大志、困難な道をあえて選択する勇士の出現を待ち望みたいですね。


              この美しい石垣を子々孫々に残してやりたいものです。
     石垣の崩壊   

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