2008年12月14日
柚子の植栽
四国は土佐の国の東部に馬路村という小さな山村がある。田舎暮らしなどに興味をお持ちの方は、とうにご存じの地名かも知れない。面積が165平方キロ、人口が1100人あまり。先日レポートした奈良県の雲上の世界である野迫川村といい勝負かもしれないな。ここの特徴は一言でいうと、「土佐のいごっそう」という代名詞そのものかも知れない。平成の大合併という世間の常識に背を向け、独立自尊の道を歩んでいる。どこにも知恵者はいるもので、ここにも隠れた軍師が存在したのだろう。人口1100人の山国で何が出来るか、考え抜いた結果導き出したものが、見捨てられていた柚子であった。此の樹はご存じのように成長に20年近くを要する。ご先祖様の遺産ではあるが、商品価値も低くなかば放置されていたのだ。それを逆手にとって馬路村にしかない独自商品ということで、柚子の加工品販売に乗り出した
いつものお店で、柚子の苗木を2本仕入れてきた。
これが当たった。今では全国から視察団が大挙押し寄せて来るほどだ。いわば四国版の一村一品運動みたいなものだろうか。ないものねだりではなく、あるもの探しで青い鳥を発掘されたようだ。柚子は生食用というよりは調味料といったほうが実態に近いかもしれない。酸味・香味を欲するときに柚子を使用する。それ以外にもジュースやうべしといった和菓子にもよく使われる。私宅などでは酢の物料理は市販の酢を使わずに極力柚子を使うようにしている。ただ必要量を充分に確保できないのが辛いとこだった。そこで、という程でもないが、柚子を植えたろうとの発想になったのだ。
購入した品種はオオミユズで自家受粉だそうな。
苗木の説明書によれば3~4年で開花・結実が可能だそうな。成長まで20年というのは実生の話であろう。市販の苗木は接ぎ木されており、数年の生育期間を経ているので短期間で収穫へと繋がるようだ。非常に助かる。20年も待ってたら小生の賞味期限が終了してしまうかも知れないのだ。
先に掘っておいた植木用の穴。鶏糞と籾殻が埋設されている。
早速に苗木を植え込む。接ぎ木部分を地表面に出すように。
植え込んだ当初はどんな果樹も水やりが必要。たっぷりと注いであげます。
最近テレビで篤姫なる番組がはやっているそうだ。薩摩の島津家から将軍家に嫁いだ姫君のようで、番組はどうでもいいのだが、この姫君の嫁入りの道中で「ゆべし」なる和菓子を大量に買い込んだと言う記録が、とある本陣(大名達の宿泊所)で発見されたそうだ。調べてみると「ゆべし」とは柚子と餅米を使った和菓子で、作るのに3ヶ月から4ヶ月もかかるそうだ。こんな話を聞き込んだら挑戦せずにはおられない。といっても柚子が手元にない。開花・結実までに4年、1年猶予をみて5カ年計画で挑戦してみようと思う。その間に製法を調べ、なんとか自作の道を探ってみようと思う。ところで「ゆべし」とはどんな和菓子なんだろう。見たことも食べたこともない。全くもって実感がないのだ。