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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年01月27日

屋根の葺き替え

金剛山の中腹に小深の里と呼ばれる小さな山村がある。国道310号線で奈良県の五條市に抜ける途中なのだが、山々の合間にわずかな民家が点在している。ここに江戸時代初期に建築された山本家という古民家(国の重要文化財)が存在するのだが、このたび30年ぶりに屋根の葺き替え工事が行われることとなった。見逃す手はない。寒さに震えながらの見学会となった。茅葺きの屋根を葺き替えるだけで2000万円の工事費だとか。庶民には古民家は維持できないな、田舎暮らしに憧れる御仁は要注意ですぞ。

              高い場所で職人さんが頑張っておられます。全国を回られるとか。
屋根の葺き替え


現場には河内長野市教委のスタッフ、工事会社の方が待機しておられ、数名単位で解説を行っていただいた。まずはモニターで近在の古民家紹介、山本家の特徴、過去の来歴等が紹介される。簡潔に要領よくまとめておられる。現場は10月から工事にはいっているのだが、3月末まで半年間はかかるそうだ。早速中にはいらせていただく。火が使えないとかで結構に寒い。構造はいわゆる田の字形間取りの農家建築だ。昔の庄屋さんで、幕藩時代には藩主の鷹狩り時の本陣ともなった家柄だそうな。殿様もアウトドアがお好きな方だったようだ。

     持ち山からの切り出しでしょうか。すごい梁が使われてます。 
屋根の葺き替え

          内部にはお宝が眠っていますね。今でも使えそうです。
屋根の葺き替え  屋根の葺き替え
          当時のシステムキッチンでしょうか。右端は水瓶です。
屋根の葺き替え 

内部には広い土間があり。台所や馬小屋と直結しています。野良から帰っても土足のままで食事をしたり牛馬の世話をしたり夜なべ仕事にはいったりできるようなシステムでしょう。居間兼仕事部屋といった感じでしょうか。室内は10畳位の和室が4部屋で、田の字形に配置されています。襖や障子を取っ払うと大広間となる構造ですね。さて肝心の屋根に上がってみましょう。ヘルメットを借用し足場をあがっていきます。アマチュアカメラマンが三脚を構えていますので少々歩きにくいのですが。

          マニアの方が多いようですね。寒い中ご苦労様です。屋根の葺き替え
          足場の模様がきれいですね。杉や檜の間伐材です。
屋根の葺き替え
         主な素材は奈良県の曽爾高原から運ばれたススキです。
屋根の葺き替え
            遠隔地から搬送された葦です。高価なようですね。
屋根の葺き替え 

一般的には茅葺きの古民家と総称されていますが、使用されている材料は様々です。ススキが多いのですが葦やワラを使用する事例もあります。この家は日当たりのいい部分にはススキを、裏側には葦を使っています。身近な材料で作るのが原則ですが、日当たりの悪い部分は高価でも遠隔地の葦を使わざるをえないようです。部分的な補修を繰り返しながら、全面改修が30年ごととか。結構高くつきますね。

          小深の集落です。草深い山間に民家が点在しています。屋根の葺き替え
     路傍ではお地蔵様が見守っておられます。信仰あつき土地柄のようです。屋根の葺き替え
   
      水があっての生活です。南河内の母なる大河「石川」へと続きます。 
屋根の葺き替え


















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Posted by とんび at 05:20│Comments(0)森のお仕事
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