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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年06月28日

敵機来襲

果樹園を散策していたら、いましたね。3センチ位の青地に白の斑点をもった敵さんが。そう、この時期は彼の発生時期でもあるのです。果樹の青葉が伸び、彼の成長にとって最適な環境となるからでしょうか。彼の名はゴマダラカミキリムシ、果樹農家で最も嫌われる昆虫です。交尾(交尾期は6月~8月頃です)が終わった雌は1匹で300~400個のタマゴを樹皮をかじった木の幹に産み付けます。1年から2年かかって内部で成長し、成虫となって外界に出てくるのが丁度この時期なんです。小生の果樹園でも飛んでいましたね。この強敵はつぶしておかないと、と思う反面、意外とかわいらしい側面もあるのです。夏休み、昆虫採集で野山を駆け巡った記憶はございませんか。カブトムシやクワガタムシは高嶺の花なれどカミキッリは容易く捕まえた・・・・・・・・そんな経験はありませんかな。子どもにとってはいい遊び相手でもあるのですね。


                  ただいま彼らの大量発生期でもあります。
     敵機来襲


この虫の怖いところは、樹皮の内側に産み付けられた卵が幼虫(当地ではテッポウムシと言います)となって木の内部を食い荒らし、根から水分や養分を吸い上げる気管を破壊してしまうからです。人間で言うと動脈を食い破られる症状でしょうか。当然、該当の樹木は立ち枯れとなり死滅します。もっとも狙われやすいのが柑橘類、イチジク、クリ、ヤナギ・・・・・・・・といった樹木でしょう。防除は薬剤に頼るしか無さそうですね。特に根元付近が産み付けの対象に選ばれやすいので、この付近に専用の薬剤を塗布します。もっとも産卵期に何度も塗布しないと効果がないようです。小生は根本付近を厚手のビニールでカバーして防除してますが、ある程度の効き目はありそうです。

                     レモンの木にビニール皮膜を。
     敵機来襲
                          こちらは温州ミカンです。
             敵機来襲


小生のミニミニ果樹園でもそれなりに果樹木が育っています。寿命が尽きて倒れるのはやむを得ないですが、害虫や病気はいただけません。全部の木は無理ですが、狙われ安い樹木には上述のビニール皮膜を実施してます。完璧とは言えませんがそれなりの効果はあるようです。一番良いのは、タマゴ用の塗布剤と成虫用の殺虫剤とを併用することでしょう。ミカン農家ではカッパを着込んで完全武装し、大型の動力噴霧器からホースを引っ張って薬剤散布をよくやっておられますが、多分にカミキリ対策でしょう。


            食害さえなければ、結構いいつきあいが可能かとおもうのですが。
     敵機来襲


我々のようなミニの果樹園では動力噴霧器を使うほどの規模ではないので、少々手抜きのゴマダラ対策となります。Kさんはイチジクを数本栽培しておられますが、全体をネットでカバーしての栽培です。これならゴマダラもイチジクに接近できないですし産卵も不可能ですね。捕殺よりは心理的な抵抗もなく、最大の効果が発生するようです。何はともあれ果樹園の運営は病害虫との戦いでもあります。率直にいって、果樹の無農薬栽培は不可能に近いかと思います。誰しも農薬無しでの栽培が望みではあるのでしょうが・・・・・・・・・・道は遠いですね。


               カブトムシには負けるけど、結構な男前(?)でしょう。
     敵機来襲



  △△△△△△  ゴマダラカミキリについてはこちらを   △△△△△△

             http://www.mikan.gr.jp/byocyu/gaichu/kamikiri/ 











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Posted by とんび at 05:12│Comments(0)森のお仕事
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