2008年10月10日
園芸福祉なるもの
園芸福祉なる概念を始めて知りました。花々や樹木が人の心を和らげ癒してくれることは、昔から広く知られていますが、園芸療法として体系化され治療の現場でも使用されているとか。里山倶楽部のOm代表からの配信で本日のことを知り、緑化技術の講習会ということでとても気楽に参加したのですが・・・・・・・・・・・・・・。とあるボランティア団体の活動紹介をベースとして、障害者や認知症の方々の園芸作業を介しての自助と相互扶助の支え合い社会を目指す活動を、との何とも格調高い内容でした。会場は府立の農林センター、羽曳野市の尺土にあります。主催は府の環境農林水産総合研究所、いわゆるお役所の研究機関です。何度か伺った場所ですが、とてつもなく広い農場を持った組織で農業大学校も併設されているようです。
農林センターの構内、銀杏並木が続きます。大学のキャンバスのようですね。
さて始めてお会いした園芸福祉なるものですが、従来の、お金をしっかり稼げば幸せになれるという発想(経済福祉というそうです)から脱却して、花や樹木を育ててみんなで幸せになろうとの理念を総括した用語のようです。具体的には、代替治療、環境保全、地域・街づくり、情操教育、生涯学習、高齢者・障害者福祉・・・・・・・・などの活動を指すようです。事例報告をされた団体の理念を覗いてみましょう。下記に表示しておきますが、園芸の共同作業をとおして自助・相互扶助をベースとした共生社会を目指しておられるようです。一朝一夕には行かないでしょうが、目標は明確ですね。
熱心な受講生達。男女半々位でしょうか。若い方も結構多いようです。
具体的な技術の習得をも、ということで後半は実習にはいりました。参加者を4班に分け、数名のリーダーがついて植栽の実地訓練です。想定は、障害者の方が車いすで移動しながら花々や樹木を楽しんでもらえる空間を作るというものです。時間の都合もあって、あらかじめ用意された場所に設計図に基づいて植栽していきます。16種ほど準備された花木・草本ですが、名前と対象物とが全く結びつきません。スタッフの方に助けられながら、四苦八苦して植え込んでいきます。
皆さん必死の形相で頑張っておられます。
植栽の設計図です。
植栽終了後はやはり水やりですね。たっぷりと!と言うのが指示事項。


これまで仲間達とさまざまな植栽・育樹作業をやってきましたが、活動を福祉的な視点から見ることはなかったようです。個々人によって思いは異なるでしょうが、環境保全的な色彩が強かったようですね。もっとも上述したように、そうした活動をも含めて園芸福祉と把握するそうですから、用語にこだわる必要はなさそうですね。ともあれ、いろんな分野で多くの方々が、よりよき社会を目指して活動しておられる事を知り、頼もしく思えました。建築家の安藤忠雄さんではないですが、自分たちで出来ることは自分たちでやろうよ、でしょうか。