2009年02月09日
都会の中の田舎暮らし
都会の中で田舎暮らしをやっている・・・・・・・・・・・こんな話をすると大抵は怪訝な顔をされる。田舎暮らしとは山の中若しくは原野での一軒だけの生活というイメージがつきまとうようだ。小生は大阪府に住んでいる。れっきとした大都会である。中心部に行けば高層ビルが乱立しオフィス街では賢そうな男女がスーツ姿で闊歩しておられる。どこが田舎暮らしなんだと疑問に思われるのももっともであろう。小生の居場所は大阪の南東部、奈良県や和歌山県と接するあたりだ。いわゆる周辺部に相当する。のどかな環境が広がり、棚田や雑木林や丘陵が大半を占めて、ゆったりとした時間が流れている。もっとも電車に乗れば30分~40分程度で大阪の中心部へと出られるのだ。
小生の田舎暮らしのフィールドです。金剛山の西山麓にあたります。
田舎暮らしはかねてからの念願であった。ただネックとなるのが家族との調整である。どこでも見受けられるのが、男がロマンを追い、女が現実を見据える・・・・・・・・・・このパターンであろう。私宅でも田舎暮らしに反対はしないが、デパートまで1時間以内で、というのが絶対条件とされた。雑木林の一軒家で薪ストーブの生活を夢見ていたのだが、トモロス(山の神)の抵抗に遭い、選択条件を緩めざるを得なかった。もう一つの条件が水の問題、人間の基本的要素は水と認識しているので、府営水道(淀川の水)は避けたかった。府内のあちこちを探し回ったあげく、結局は金剛山の山麓に落ち着いたのである。本当は金剛山の南山麓を希望したのだが、ここだと行政区が和歌山となり、デパートまで1時間以内という絶対条件が満たせなかったのだ。
フィールドでは白梅が満開に近づきつつあります。
無論、住めば都のことわざは生きている。居住してみると、なかなかにいい場所である。幸いにして農地の借用も可能となり、素敵な仲間達との出会いもあった。過不足ない田舎暮らしを満喫できるようになったのだ。悩むより行動してみることである、案ずるより産むが安しとは事実のようだ。
フィールドは緩やかな丘陵の合間に狭い棚田が続いています。
さて、こんな暮らしぶりをどこかで聞かれたのか、とあるご婦人が訪ねてこられた。話を伺ってみると、独身で企業のOLをしており65歳の定年だが60歳で退職して田舎暮らしを始めたいとのこと。あと5年ほど猶予があるので良きアドバイスをとの事であった。専門家でもない小生が適切な助言など出来うるはずもないが、体験上得られた幾つかのアドバイスをさせていただいた。下記に列挙してみるが、適切な内容なのかどうか不安だらけである。
田舎暮らしの要件?
◆就農は困難かもしれませんが、田舎暮らしであれば充分可能です。希望をもって
話を進めてください。
◆農地の購入は選択せず、借地で済ませてください。
◆車の免許を取得しておいてください。そして中古でいいですから四駆の軽トラかワ
ンボックスの購入を予定してください。
◆クレジットカードを作っておいてください。市中銀行とネット銀行と最低二つは必要
です。
◆パソコンを購入し、インターネットの操作に慣れておいてください。
◆出来れば田舎で月に5万円~10万円程度現金収入を得られる特技を身につけ
ておいてください。
◆土地と人間とは相性があります。出来るだけたくさんの候補地を周り、気に入った
場所が見つかったら通い詰めて地域のお友達を作ってください。
◆住居などの不動産はいきなり購入しないほうが無難です。借地借家でしばらく生
活してみてください。
◆里山の保全活動などをやっている集団に加入し、しばらく活動してみるのもいい方
法です。
◆テレビ等で田舎暮らしの番組をやっているが、視聴率を気にした制作である。のめ
り込まずに、ネットや著作で実際に田舎で生活している方の体験談を参考にして
ください。
◆農業技術や経験などは不要です、自家用ならほっといても野菜ぐらいは作れます。
また周囲に教えたがりの方々がたくさんおられますので。
◆お酒は飲める方がいいですね(小生は下戸に近いです)。
◆一人遊びの出来る方が向いていると思います。取り巻きが必要な方は田舎暮らし
は困難でしょう。
◆状況によっては生活保護世帯以下の年収も充分にありーです。路傍で野垂れ死
に、の覚悟だけは必要かと思います。
大要、上述のような話をしたと思う。納得していただけたかどうかは疑問だが、参考にはなったのではなかろうか。さて、彼女が田舎暮らしを始めるか否か、数年先のお楽しみといったところだろうか。
森の中の学舎、青春期にこんな場所で全寮制生活をやってみたいですね。