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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年06月21日

壊れゆく棚田

お隣の耕作者さんがご挨拶に見えたのは2ヶ月ほど前だった。何でも地主さんから明け渡しの請求を受け、4月で引き渡ししなければならなくなったとの話であった。ご夫婦で熱心に耕作されていたのに、何で、と思わざるを得ない。あまり詳しい話はされなかったが、地主さんとのトラブルだったみたいだ。年齢的には60歳位、リタイア直前か直後あたりの雰囲気を漂わせた気の良いご夫婦だった。お二人でブロックを積み野小屋も建てて野菜作りに励んでおられた。小生のようなぐうたらでいい加減なタイプではなく、本職の農家とも思えるほどの腕前だった。或いはその腕が災いしたのかも知れない。


            現場には野小屋の残骸のみが残されています。廃屋ですね。
     壊れゆく棚田


数日前にも記述したが、農家の方は農地を貸借するのを極度に嫌われる。農地を貸したら最後で取られてしまうのではないか・・・・・・・・・そんな恐れが強烈なようだ。従って余程の事情か、信頼確認が出来た場合か、くらいしか貸与の対象とはならないようだ。無論、法的には農地法の縛りがあって勝手な賃貸借等は違法行為となるのだが、まあ、ここではそんな理屈論はおいときましょう。常識的に考えて、農地を荒らすより誰か信頼できる人に耕作してもらうほうがお互いにメリット大である。そこらで、そこはかとなく耕作黙認的な形での使用貸借などが行われるのだろう。ただお互いの信頼関係が基盤だから、ちと崩れると破滅へと走ってしまう。お隣さんもこうした事例だったかも知れない。


               雑草が生い茂るのみで野菜類は全く見えないですね。
     壊れゆく棚田


お隣さんの畑の跡を覗いてみよう。つい数ヶ月前までここにエンドウやネギや葉物などが青々と茂っていたのに、野菜類が皆目みられない。雑草の生い茂るままとなっている。野小屋も屋根や壁は撤去されブロックと骨組みだけが残って廃屋のようだ。人が手を加えないと、わずか数ヶ月で荒れ果ててしまうのである。地主さんには地主さんなりの事情があったのだろうから論評は控えるが、なんとか耕作の開始をと願わずにはおられない。前任者が無理だったのなら、別の方にでも貸与されて耕作を始めていただけないものだろうか。隣地が荒れ果てると、雑草の種は飛んでくるし、虫や獣の巣窟とはなるしで、近所迷惑も甚だしいのだが。


        白いコンクリートが小生の借地との境界線です。ここまで耕作してはったのに。
     壊れゆく棚田


新聞報道によると大阪府下でこうした遊休農地が1004ヘクタールにも及ぶとか。府内全体の農地1万1800ヘクタールの1割にも相当するようだ。市町村別では和泉市、羽曳野市、岸和田市がワースト3のようです。こうした遊休農地を有効に活用するような施策が望まれますが、耕作希望者は潜在的には少なからざる数があるかと想像します。両者をうまくつないでくれるパイプ役が無いようですね。行政に期待したいのですが、困難かな。


             ここが畑の跡とは誰も想像できないのではなかろうか。
     壊れゆく棚田


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