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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2010年01月20日

強者どもが夢の跡

いいお天気ですね。ここ数日小春日和てきな穏やかで暖かい日々が続いております。こうした時には農作業を止めてカメラ片手に散策をというのが賢明な選択でしょう。かねて気になる一角がありました。谷間の農園の近くですが、入り込んだ丘陵が見事なほどに農耕地と荒れ地とに分離されているのです。無論。意図的にやられた訳では無さそうですが、諸般の事情で結果的に現在の状況が生み出されたのでしょう。耕作されている一帯は段々畑が続き、千枚田とも表現できるような調和の取れた綺麗な風景が広がっています。営々とした農の営みが作り出してくれる里山の風景とでも言いましょうか、森と田畑と曲がりくねった農道とが何とも表現のしようが無いほどの感動をもたらしてくれるのです。二次的な森とはいえ雑木林は人の心を引きつけますね。


          手入れの行き届いた棚田風景、こんな場所は大歓迎ですね。
     強者どもが夢の跡
            田植えの前準備でしょうか、大型耕耘機が働いてました。
     強者どもが夢の跡

さて件の荒れ地のほうですが、かっては棚田として活用されていたのでしょう。しっかり見つめますと小さな棚田の痕跡が僅かながら認められます。先人達が苦労して切り開かれた棚田、今、静かにその役割を終えようとしているのでしょうか。かって古老に聞き出した話ですが、山地を切り開いた棚田は土が悪く、谷底の川から少しづつ砂を運び上げて土壌の改良を図って来たのだとか。苦難の歴史を辿ってみようと農道らしき踏み跡に入り込みましたが、とうてい歩けるような状況ではなく、途中で諦めました。それほど荒れ果てていたのです。人が関わりを持たなくなった土地はあっという間に元の山地へと還っていくようです。人に食料が必要なく、棚田の役割も終焉したのであれば、それもいいでしょう。だが、天変地異は世の常、ましてや食糧危機の可能性も指摘されております。かような時期に、これでいいのかと疑問になりますね。


           棚田の跡地です。短時間でかっての山地へと還っていくようですね。
     強者どもが夢の跡
               どこから見ても棚田の跡地とは想像できませんね。
     強者どもが夢の跡

ハイチでは巨大地震の発生で多くの人々が家族と家と食料とを失い、路上での避難生活を余儀なくされているそうです。我が国でも15年前には阪神大震災が発生しました。今後も東南海地震など危険性の予測には事欠かないようです。備えがあれば憂いも少ないもの、耕作放棄された或いは放置された棚田の有効活用を始めたいものです。幸いにと言うか、リタイアされて粗大ゴミと化された人々(失礼)が大量に存在します。明治の屯田兵ならぬ平成の開拓団に転じていただける可能性もなきにしもあらずです。行政がそのパイプ役となって頂ければ願ったり叶ったりですが。居住地と食との動線は短いほど有り難いもの、身近な棚田にこそ大きな可能性が眠っているのではないでしょうか。農水省が進めるような規模の拡大・機械化という路線は部分的な役割しか担えないでしょう。我が国は地形的な制約が大きく、小さな細切れの農地を活用するのが自活には不可欠かと思えます。食の自給に対するゲリラ農法とでもいいましょうか。


                中央部の窪みが農道跡です。歩けませんでした。
            強者どもが夢の跡
          注意して見ましたら、かすかに棚田の痕跡が残っていますね。
     強者どもが夢の跡    

肝心の散策ですが、農道跡が通行不能で眺めるのみで終わりました。ぽかぽかした陽気に誘われて出向いたものの、以外と歩ける棚田は少ないものです。当地はまだしも里山風景が残っておりますので、散策には不自由しませんが、街中にお住まいであれば散歩もままならないでしょうね。お弁当持参で南河内をお訪ね下さい。野山を歩き回って弁当を広げられたら、この国が自然環境に恵まれた稲穂の国であることを実感されるでしょう。棚田の現況と将来像にも思いを寄せて頂けたら幸いかと思います。そしてお帰りの際には、当地の直売所で地産の農産物をお買い求め下さい。ご家族へのいいお土産となりますよ。       

      
          人の手を離れ、山の鳥獣の世界へと変貌を遂げつつあるようです。
     強者どもが夢の跡

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