2008年04月02日
種蒔き大作戦
さあ、いよいよ夏野菜の種蒔きだ。気温は高め、雨も少々だが降ってくれた。条件は整ったのだ。春は農作業が多い。沢山の野菜達を準備しなければならない、その分、収穫時の楽しみも大きいのだが。例によっていつものお店で種を仕入れてきた。自家採取で栽培したいのだが、まだまだ一部しか実現できていない。F1種に頼らざるを得ないのである。
種蒔きにはまず畝の準備が必要だ。ポット苗で育てる方法もあるが、葉物野菜は畝に直まきで十分である。この場合、畝幅は1メートル前後くらいが使いやすい。20センチ前後の畝高にして野菜達のベッドを作ってあげる。画像は畝が出来上がったところ。まだ土が少々粗いようだ。細かいほど最適なのだが。
ここに溝を掘り、元肥を埋め込んでいく。野菜によって肥料は変わってくるが、葉物野菜であればチッソ分が主体となる。鶏糞や牛糞などで十分であろう。葉物は平均3ヶ月~4ヶ月程度で収穫なので勝負が早い。ラディシュなどは1ヶ月で収穫だ。元肥が埋め込まれたら土をかぶせ加圧していく。元肥と種とが接触しないようにするためだ。
溝に加圧が終了したら種蒔きだ。今回は筋蒔きとばらまきとを混合した方法で種をまく。畝幅が少々広い為だ。種蒔きが終わると覆土だが、これが難しい。原則は種の大きさと同じ高さの覆土、すなわち直径1ミリの種であれば1ミリの覆土となるが、ややもすると多めになってしまう。小生もよく失敗する。今回はInさんがやっていた籾殻を活用する方法をまねてみる。籾殻だと軽いので少々多めでも種にとって負担とはならないはずだ。
さあこれでうまく発芽してくれるかどうか。失敗だともう一回やり直さなければならない。本当はここで水やりが必要だが、谷間のマイ農園は残念だが水がない。天水に頼る生活なのだ。2~3日後に雨の予報が入っている、それに頼る事にしよう。太陽光線の暑さにまけないように少々籾殻は厚めにしておいた。雨が降るまで耐えてくれるはずだ。
師匠のNさんも言っておられた。「百姓は毎年が新人なのだ」と。気象条件も、土地の状態も、種の状況も、人の気合いの入り具合も・・・・・何もかもが毎年変わってくる。特に気象の変化は大きい。最近のように温暖化が進むと、昨年とガラリと変わった状況を呈する時がある。何回やっても野菜作りは難しい。テキストや経験などたいして役にたたないのである。
最近、学校現場では「食育」とかいうものが盛んらしい。テキスト片手に知識を押し込むのもいいが、できれば実体験を積んでほしいものだ。年に数日でもいい、援農隊とまでは言わないが、これまで食を担ってきた農山魚村にはいりこみ、生活の現場で何がどう行われているのか体験して欲しいものだ。評論家は危険性がどうの、時間がどうの、とおっしゃるかもしれないが。バーチャルな知識を詰め込むだけでは実感を伴った真の知恵は生まれてこないだろう。豊かな想像力と確かな判断力とは、現場からしか産まれないのではなかろうか。「いただきます」という言葉の真の意味も重さも体感できることと思う。