2008年10月28日
宮入は何時
水の配分権を持つ神様といっても良いだろう。名前からして水分神社なんだから。正式には建水分神社(たけみくまりじんじゃ)という。金剛山を背後に控えた高台にたつ。農耕社会の基本財産である水を管理する神ともいわれ、下流域の集落を管轄下に置くようだ。秋、10月には収穫を祝って祭礼が実施される。下流域の集落から20台くらいの地車が出て、集落を練りあるいた後、一斉に宮入を行うのだ。神社が高台で地車が入れないので、少々下の広場に神様がお移りになり、この広場を神社とみなして宮入を行うのだ、20台あまりの地車が集結してパフォーマンスを行うので相当賑やかである。この宮入をねらって撮影に出かけたのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ここもご祝儀のオンパレードだ。皆さん太っ腹なようだ。
駐車場に車を止めたところで師匠に出会った。カメラ担いでなんや、と問われたので上記の事情を話すと、宮入は昨日やでとの一言。土日が祭礼なのだが、通常山場は最後と踏み日曜に出かけたのだ。ところがどっこい、この地では土曜日に宮入があり、日曜日はそれぞれの集落で練り回すのだとか。ガックンである。事前に確認しなかったのが悪いのだが、そんなことありかい、の心境である。土地によって風俗も慣習も異なるのがあたりまえ・・・・・・・・・・・・・・・理屈はわかっているのだが。
地元、水分の地車が練りから帰ってきた。1台のみの地車だ。さびしい。



どこも過疎化して地車の引き手がなくて困っておられるが、この地は心配ご無用のようだ。地車を引いているのは、文字通りの青年たちである。大阪市内まで一時間以内という通勤利便性が青年たちを生まれ在所に残してくれているのだろう。ありがたいことである。欲をいえば彼らが農の後継者として活躍してくれれば、と願うのだが。ちと困難かな。
大半の農家は稲刈り完了だ。収穫の喜びの秋祭りだろう。神への感謝の日。

日にちの取り違えというドアホな一日だったが、それなりに楽しいひとときだった。これが宮入の本番であれば、20台ほどの地車が集結し、河内にわか等も演じられてそれはそれは盛り上がる。露店も並び、大勢の観客でごった返すのだ。ムラの活気がよみがえる二日間、毎日がこれだけの熱気を感じられれば最高なんだろうけど。他の日は、静かでゆったりとした時間が流れていく。
Posted by とんび at 05:11│Comments(0)
│山里の歳時記
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