2008年06月18日
早苗立ち並ぶ
午後から時間が取れたので田圃へと急いだ。水の状態が心配だったのだ。そうすると、あらまあ、早苗が立ち並んでいる。どうしたものやらと思っていたら、KさんやUさんがニヤニヤと笑っておられる。昨日、植えといたからな・・・・・・・静かな言葉が返ってきた。昨日の日曜日は私用と自治会の役員会があって田圃には来れない、と語っていたのをしっかりと覚えておられ、電話連絡もなかったようだ。丁度、田植機も借用できたようで、KさんUさんIさんで田植えを実行してくれはったそうだ。
田圃一面にみごとな早苗が立ち並んでいた。
それにしてもにくい面々である。年齢的には小生よりも数段年輩の方々ばかり、結構な肉体労働をこなしながら、「植えといたで」と静かに語り、にこやかに笑っておられる。さすがに大人の男である。おまけに堀り立てのジャガイモまで焼き込んであった。料理上手なKさんがダッジオープンで石焼きイモを作っておられたのだ。
今年は苗の配分がうまくいき少々余ったようだ。
焼きたてのジャガイモを頂く。師匠のNさんも仲間に入り、ゲストハウスでしばしの休息。この地で永年暮らしてこられたNさんが、地元の風習や過去の米作りなどを語ってくださる。貴重な経験なのだ。在野の民俗学者、宮本常一さんになったような心境で皆が聞き込む。数十年前までは当地も冬場は相当な雪だったらしい(今では想像できないが)。雪合戦やソリ遊びの話、猪子祭りや河内音頭の踊りなど次々と地元の風俗が現れ、時間のたつのも忘れてしまう。
規則正しい足跡が。田植機を使い直線で歩いた痕跡かな。
夕日が田圃を照らしてくれる。いつ見ても心なごむ風景だ。
ひ弱そうに見えるが、数ヶ月後には立派な実りをもたらしてくれる。
今年もどうやら田植えが実施できた。年に一回しか出来ない貴重な経験なのだ。特に我々のように、年齢を重ねてから農を始めた人間にとって、とりわけ貴重な作業となる。出来る回数もカウントダウンなのだ。あと、希望するのは若い世代が同じ想いで米作りに参加していただくことである。米があってこそ、この国と国土は保っていける。是非にとご参加を呼びかけたい。
今日も葛城山が静かに見守ってくれる。