2008年06月30日
水守りさん
水稲とはよくぞ言ったものである。水を要する稲、まさにその通りで水がないと米が作れない。棚田を構築して山の上まで作っても、その上に水があっての話なのである。その貴重な水を巡って、古来、争いが絶えなかったとのこと。当地でも大和国と河内国との水争いの民話が残っている。結果、大和国に敗れ河内国に流れる水は少なくなったとか。現在の水越峠付近のことである。
米作りの最も貴重な資源なのだ。古来、争いの元。
水路の元口で分岐させ、我々の田圃の方へ水を引き込む。
上流の方で大量に使用されると我々の田圃まで水が来ない時がある。そういってケンカも出来ないが、取水を弱めてもらうか、時間の来るのを待つか。何せ水がなければ始まらないのだ。俗に言うザル田が多い当地では、水漏れも結構激しい。毎日の補給作業が日課でもある。米作りチームも、別段当番表などを作っているのではないが、各位が程よく出勤して水管理を行っている。
前日満水でも翌朝は干潟状態。水漏れが激しいのだ。
チームワークの良さというか、別段の取り決めがなくとも各位が必要な仕事を選択し、順次、こなしていく。ある者は草刈りに、ある者は妨害草の除去に、ある者は枝豆の植え付けに、ある者はモグラ穴の補修に・・・・・・・・やはり皆さん大人である。指示命令がなくとも必要な仕事を発見して、自ずから処理していくのだから。最高のチームかもしれない。これだから米作りが楽しいのだろう。
田圃も充分に冠水したようだ。水は多すぎてもダメなのだ。適量を。
水の落とし口。ここからオーバーフローしないように。
田圃には化成肥料と除草剤を散布している。水がオーバーフローすると両者が水路へと流出してしまう可能性がある。水は過不足無きように注入しなければならない。天候の問題もある。毎日の調整が肝要なのだ。毎日、田圃を見回って水の管理を行う、この仕事を水守りさんと言う。まさに言葉のとおりである。そうそう、除草剤を散布したことでとても気になっていたことがある。田圃の中の小さな命達だ。薬剤が強すぎて、ひょっとしたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・と気になっていたが。とても元気そうに泳いでいた。やれやれの一安心である。
やがて、食物連鎖の厳しい掟が現実問題となってくるのだが。