2008年09月21日
タイフーン
気がつけば、今年も既に台風は13号となっていたのですね。農作業にとっては一番気がかりな気象条件です。週末は台風13号が列島を横断との予想で、少々心配していました。結果的には19日の夕方から深夜にかけて潮岬の南方海上を通過して行ったようです。紀伊半島の南部が暴風圏にはいったみたいで、土砂崩れや床下・床上浸水等が報じられていました。当地はおかげさまで大したこともなく、少々強い雨風があったくらいです。よしずや物干し等は仕舞い込んでいたのですが、必要なかったようですね。ありがたいことです。金剛山系が防御壁となってくれるのか、南河内は比較的災害が少ない地域で、古墳等が多いのも、古代のご先祖様達がそうした事情を知っておられたからでしょうか。
台風上陸なら全部倒壊して大変な状況に陥ったはず。
当地では既に稲刈りが終了した所もあります。台風13号が上陸していたら、はざ掛けの現場など吹き飛ばされていたかも知れないですね。我々の田圃は収穫前ですが、稲穂の倒伏の恐れがありました。稲穂が倒伏すると非常にやっかいです。稲刈り機が使用できないので手刈りとなり、大変な手間暇となります。米も泥まみれになって、他とは分別処理が必要となります。米作りにとって一番嫌な相手が台風でしょうか。
数年前の台風では、小生の谷間の農園でも小さな土砂崩れがありました。土手の斜面が崩れて、お隣の田圃の一部が土砂で埋まってしまったのです。お隣さんは耕作放棄地で、地主さんも放置されたままなので、次第に荒涼とした風景になりつつあります。耕作者の高齢化が進み、谷間の急勾配の農地では営農の意欲も出ないのでしょう。いずれイノシシの遊び場と化する可能性がありそうです。
彼岸花(曼珠沙華)の群落が出始めました。
台風が通り過ぎた当地の田園風景です。彼岸花が咲き始めました。そういえばお彼岸の季節、花々も体内時計を持っているようですね。彼岸花には毒性があり、ネズミやもぐら等の有害小動物を防ぐ為に、畦に植え込まれた事は報告しました。戦時中は食糧不足で、彼岸花の球根からデンプンを採取したそうですが、一歩誤ると死亡事故を引き起こし兼ねないです。真似はしないようにしましょう。それにしても彼岸花は緑の葉がなく、真っ赤な花だけというのも異様な光景です。遠目にはいいのですが、あまり好きにはなれない花々ですね。
農とはまさに自然界と一帯のもの、太陽や風や水と一体化しないと出来ない仕事です。ここから八百万の神々という信仰が生まれたのでしょうね。シャーマニズムやアニミズムと呼ばれるものと祖を同じくするものでしょう。農耕が始まった数千年の昔から面々と続く果てのない営みを、我々も又引き継いで生きたいと願っています。本年も来年もどうか台風が上陸しませんように、と願っておこう。自然界の神々に。