2009年01月09日
農政の大転換?
正月からビッグニュースが飛び込んできました。彼の石破農水相が減反政策を見直しとの表明です。もっとも農水省のHPで確認してみますと微妙な表現ですが、方向性としては廃止を含めた見直しに相違ないようです。これがホンキであれば、我が国も遅まきながら食糧自給への道をたどりそうです。やっとこさ、というのが正直な感想でしょうか。これまで末端で農に携わる者からは、米の生産調整に対して種々の反対意見が渦巻いていましたが、国とJAとにより押さえつけられていたというのが実態に近いでしょう。自分の意志で自由に米を作りたい・・・・・・・この当たり前の願いがかなわなかったのです。無論、八郎潟の農家や闇米販売を公称する米穀店等もあって抵抗は続けられたが少数派に過ぎなかったようですね。それが担当大臣による見直し表明、事実上これまでの路線が間違いであったと認められたものでしょう。
荒れ果てた棚田、生産調整(減反)が根本的原因では。
むだな時間を費やしてしまいましたが、まだ間に合うかとは思います。石破農水相の前職は防衛大臣(防衛庁長官だったっけ)であり、この経歴が響いたと言えなくもないようです。食糧自給は国防の根幹、これが他の御仁であったなら叶わなかった出来事かもしれませんね。農水省のHPを覗きついでに主な品目の自給率をも調べてみましょう。
1.米 自給率 94 ㌫
2.小麦 13 ㌫
3.大麦 7 ㌫
4.大豆 5 ㌫
5.野菜 79 ㌫
6.肉類 55 ㌫
7.玉子 95 ㌫
8.牛乳 66 ㌫
9. 魚介類 52 ㌫
いかがでしょうか。如何に多くの輸入に頼っているかというのが、これだけでも理解できますね。食料以外にも原油や鉄鉱石或いは希少金属や天然ガスなど輸入品目は枚挙に暇がないほどです。しかも原油などはその大半が例のソマリア沖合を航行して運ばれているという現実、危なっかしい橋の上で綱渡りしているようなものです。
ここも、かってはきれいな棚田が広がっていました。
現在の食糧自給率はカロリーベースで39パーセントだとか。せめて米と味噌だけでも自給でと行きたいのですが、米は可能としても味噌は主原料の大豆の自給率が5パーセント、絶望的になってきますね。これも遊休地や耕作放棄地の開墾により、いわゆる畦豆としての植え付けを期待したいと思います。
こうした棚田が一面に広がって欲しいですね。
遅まきながらの決断とはいえ、石破農水相の路線転換に拍手を送りたいと思っています。一部の学者や評論家の方は、外国から安い食料品を購入すればいい、式の論を展開されますが、毒ギョーザ事件を他山の石としたいもの。それでなくとも食の自立なくして国の独立もありえないと考えられます。周囲は虎や狼や狐や狸が生息するジャングル地帯、恫喝外交の餌食にならぬようしっかりと米を作りましょう。派遣切れに遭遇された方も、テント村で炊き出しを受けられるのも結構ですが 農、林、漁、それに介護の世界に飛び込まれませんか。若いエネルギーがいくらでも期待されております。
お暇な方は覗いてみてください
農水相会見 HP http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/090105.html