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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年05月27日

ミカンの解体作業

地主のばあさまも八十とウン歳、結構なお歳でもある。最近は農園に出向く事もなくなり、顔を合わすこともほとんどなくなった。借用している農園の隣地がばあさまのミカン農園だが、正直言ってほったらかしというのが実情である。無理もなかろう、足腰が弱ったばあさまが傾斜地のみかん園の手入れなぞ出来うべきもあるまい。やむを得ないので小生が最小限度の手入れを行ってるが、草刈りと枯れ木の伐採位なものである。消毒作業にまでは手が回らない、従って虫にやられる樹が続発し、毎年のように伐倒作業とあいなってくる。今回も例年同様で4本の樹が枯れてしまった。画像をご覧いただいたほうがわかりやすいだろう。2本の樹が立ち枯れしているが、ゴマダラカミキリにやられた被害者である。消毒作業が滞ると結果はご覧のとおりである。


            カミキリにやられ立ち枯れしたミカンの樹。
ミカンの解体作業


このまま放置しても具合が悪いので伐倒することに。チェーンソーを持ち込めば作業自体は簡単だが、なんとも味気ない作業となってくる。同じ森の仕事でも植樹のほうが圧倒的に楽しいものだ。ぼやいていても始まらないので作業開始、焼却しやすいように細かく裁断していく。後日に刈り取った草と一緒に燃やしてしまおうと思う。今まで何年もミカンを実らせてくれたのだろう、ご苦労様と感謝しつつもゴマダラカミキリに敵意が生じてしまう。もっとも彼らに言わしめると生きる為の当然の行為と反論されるかもしれないが。ゴマダラは柑橘類の根元付近にタマゴを産み付ける。タマゴが幼虫となって(ここらではこれをテッポウムシと呼んでいます)幹の内部にはいりこみ空洞化してしまうのだ。人間でいうと動脈を食い破られるような現象だろうか。


          相棒のGS35ED2、本日の主役でもあります。
ミカンの解体作業


伐倒作業は数分の勝負です。さすがに機械力、これが手鋸ではそうそう簡単にはいきません。生木だとまだ切りやすいでしょうが、枯れ木は意外と切れないものです。いつもどおりゴーグルで眼を保護しながら慎重に切り進んでいきます。チェーンソーの怖いのはキックバック、跳ね返りには要注意ですね。


        小枝から順番に切り落としていきます。残り少々。
ミカンの解体作業
          ミカンの樹が解体されました。無残な姿です。
ミカンの解体作業


さて伐倒後のミカンの樹を覗いてみましょう。ゴマダラカミキリの活動結果がわかるかと思います。画像の中で幹の中央部に穴があいてますでしょう。テッポウムシが食い破った跡なんですね。これを阻止しようと思えば消毒しかないようです。薬剤を使用しないで果樹の栽培ができたらどんなに幸せか。とりわけ果実が柔らかい桃やリンゴや梨などは大変だろうと思います。柑橘類は実はあまり被害を受けませんが樹がご覧のとおりとなって立ち枯れしてしまいますね。小生もこの地で十数本あまり柑橘類を植え込みましたが、結果は全滅でした。この冬ユズの木を2本植えましたが何時までもってくれるのか。


         テッポウムシに見事に食い破られていますね。
ミカンの解体作業


青森県でリンゴ農家を営む木村秋則氏は、リンゴの無農薬栽培に成功された方として著名ですが、艱難辛苦の連続だったと聞き及びます。無理もないでしょう。果樹を無農薬で栽培するのがどれ程困難か、若干でも作業に関わった者には痛いほよくどわかります。小生は薬剤の使用を否定はしません、無農薬が望ましいのは充分理解できますが、完全無農薬で果樹を栽培し生計を立てようと考えるのは不可能に近いかと思うのです。無論、木村氏の快挙には惜しみない拍手を送りたいと思います。



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Posted by とんび at 05:14│Comments(0)森のお仕事
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