オオサカジン

  | 河内(南河内・中河内)

新規登録ログインヘルプ


金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2009年09月24日

立ち枯れの樹

又もやミカンの樹が枯れてしまった。立ち枯れである。地主のばあさまのミカン農園だが、小生の谷間の農園と隣り合わせということもあって、大半は小生が面倒を見ている。ただ出来うる事は草刈りと最小限の管理ぐらいで、消毒作業などには手が回らない。当地はゴマダラカミキリムシが多く、防除の薬剤散布をしないと被害が大きいのだ。今回もゴマダラにやられたと思い、伐倒作業にかかることにする。


          これが正常な状態のミカンの樹ですね、やや黄色くなりかけです。
     立ち枯れの樹


画像をご覧いただいた方がわかりやすいと思います。完全に息の根を止められ、濃い緑色だった果実も黄色くなってしまっている。切り倒すしか対応策がないですね。残念な事だが、毎年のように数本づつ立ち枯れしていく。大半がゴマダラの幼虫による食害なのだ。ゴマダラは、概ね6月頃に成虫となり三ヶ月ほどの寿命のなかで交尾・産卵をくりかえし、9月頃には死に絶えてしまう。卵は柑橘類や無花果の幹に産み付けられ、幼虫となった後は幹を食い破って成長する。


                 該当樹です。完全な立ち枯れ状態ですね。
     立ち枯れの樹
          小枝は既に切り落としました。果実は緑色が消滅して黄色に変色。
     立ち枯れの樹


防除は薬剤による卵の産み付け阻止にかかっている。彼らが活躍する6~9月頃に集中的に散布する必要があるのだが、完全防備で長いホースを引っ張っての作業は重労働だ。無論、動力噴霧器や大型タンクなども必要で資金的にも大きな負担となる。翻ってミカンの価格は暴落気味、正直やってられないというのが実態だろう。次々と立ち枯れするのもヤムを得ないのだろうか。


         良き相棒のGS35ED2です、樹木相手では強力な助っ人ですね。
     立ち枯れの樹


理屈を並べてもしょうがないので作業にかかる。作業そのものは簡単で、持ち込んだチェーンソーの活躍で瞬時に完了、あっけないぐらいだ。二週間ほど乾燥させて焼却処分と致しましょう。又大好きな火遊びが楽しめます。それにしても樹木が燃える炎は魅力的ですね、薪ストーブにはまる大きな子ども達の心情がよくわかります。


              倒した跡の切り株ですが、ゴマダラの形跡がないですね。
     立ち枯れの樹


完全に切り倒してビックリ、切り株にゴマダラカミキリの形跡が見あたらないのです。通常、彼らが食い破ったあとが穴となって残るのですが、全くないですね。ということは、この樹はゴマダラではなく病原菌にやられた可能性が高いようです。何れにしても果樹を無農薬で育てるというのは至難の業で、青森のリンゴ農家木村秋則氏が賞賛されるのも、例外的な存在だからでもありましょう。大概は薬剤を使用して苦労の末にやっとこさで収穫を迎えるのが大半なのです。安全で安心な食べ物を請い願う気持ちは痛いほどわかりますが、現場の艱難辛苦もご理解願えればと思います。


                現存するミカンの樹も随分と少なくなりました。
     立ち枯れの樹





同じカテゴリー(森のお仕事)の記事画像
斜面に取り付く仕事師たち
桜とリスの森へ
栗の木を見上げて
水源の森を訪ねて
植樹と育樹
事業部の活躍
同じカテゴリー(森のお仕事)の記事
 斜面に取り付く仕事師たち (2010-12-20 05:05)
 桜とリスの森へ (2010-12-07 05:13)
 栗の木を見上げて (2010-09-13 05:04)
 水源の森を訪ねて (2010-09-12 05:10)
 植樹と育樹 (2010-08-29 05:05)
 事業部の活躍 (2010-06-22 05:09)

Posted by とんび at 05:16│Comments(0)森のお仕事
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。