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金剛山麓に緑豊かな桃源郷「とんびの里」を創りたい、そんな想いに駆られた万年青年達の悲喜交々を、南河内の風土と一緒に紹介します。

2010年03月16日

田舎の百姓屋

百姓とは、百の姓即ち100とおり以上の仕事をこなしうる人物達・・・・・・・・・・確かそんな意味だと何かの本で読んだか聞いたような気がする。農家のおじ様達を拝見してると、コメ作りに野菜作り養鶏に鉄砲担いでのシシ撃ち或いは竹細工に草履作りに造園業に土木工事に・・・・・・・・・・・・ありとあらゆる仕事をこなしておられるようだ。近代とは分業の世界である、そんな定義もどこへやら、大概の仕事は自分自身でまかなってしまう。かって農村地帯は専門家が少なく、個人で何もかもやらざるを得なかったとの事情もあるだろう。だが根本的な要因は、やはり人間はスペシャリストではなくジェネラリストである事に起因するのではなかろうか。確かにスペシャリストの方が利便性は高くお金も稼ぎやすい。だがトータルで仕事を掴みたい、マネジメントしたい・・・・・・・そんな本能が体の奥底から湧き出してくるからではなかろうか。

            この膨大なゴミ(?)の山、さて何に生まれ変わるのだろうか。
     田舎の百姓屋

お金万能のこの時代に於いて、お金とは最も縁遠いような農を生業に選ぶ人が、少なからず存在する。人間の合理性から考えれば理屈にあわない行動であろう。その原因は、やはり仕事の総合性、簡単に言えば全体を自分で企画立案し統括できるおもしろさ・・・・・・そんなものに惹かれるのではなかろうか。別の言葉で表現すればパーツとしての存在には耐えられないのであろう。まあ、こんな理屈はどうでもいいのだが、とにかく田舎の百姓は何でもこなしてしまう。そんな実感を目のあたりにしてしまった。実は5名程の仲間で米作りチームを作っているのだが、ナイナイづくしの状態での米作りなので、創意工夫が当然の行動であった。それが事もあろうにトラクターまで自作してしまうとは、想像だに出来ない現象である。


               ここにも沢山の資材が寄せ集められているようで。
     田舎の百姓屋

借り物ばかりでの米作り、当然、自前の機械類が欲しいなあ・・・・・・との願望はあった。そこに2台の故障して放棄されたトラクターが出現したのである。当然これらは産業廃棄物、有料での廃棄処分となり安くはない。所有者の方も困っておられた。そこに目を付けたチームリーダーのUさんとOkさんが無償で引き取ってきた。なんとかならないかとの魂胆であろう。トラクターなど専門メーカーが販売するもの、故障の修理なども専門家に依頼するのが常識であろう。それをあろうことか、2台のトラクターを分解し、使えそうな部品を取り出して1台の稼働できるトラクターを作り上げてしまったのだ。まいりました。まさかのまさか、田舎の百姓屋のおっちゃんがトラクターまで自作するとは。


            半自作のトラクターです。無論、稼働できるホンマモンですぞ。
     田舎の百姓屋

無論、新車のようにはいかない。ラジエーターからは水漏れがあるようだが、何ヤカンに水入れて乗っけてればいいのだ・・・・・・・ガハハとの豪快な笑い。とんでもない人物達である。だが考えてみれば、こうした行動が人間の本能に根ざした自然界の摂理に適った行動なのかも知れない。通常、我々は狭い殻の中に閉じこもり、専門家の如き錯覚の下でスペシャリストとして生活しているが、どこかに不自然な思いがあって満足できないのだろう。自殺する人が年間で3万人、鬱病となる方が数知れず・・・・・・・・・・こうした現象はやはり人間が本能に根ざした当然の暮らしを送っていないからではあるまいか。


                 奥の方にはパーツ取り用の廃棄物が・・・・・・・・
     田舎の百姓屋

農と森の暮らしには人間を蘇らせる働きが備わっているようだ。人間は遠からず皆が死んでいく、放っておいも時期が来ればお迎えとなる。死に急ぐ必要はあるまい、全てをリセットして百姓の世界に足を踏み込まれたら如何であろうか。後期高齢者のこのとんでもないオジサマ達を拝見してると、何かしら勇気が湧きあがるような気分となる。人間万歳・・・・・・・思わずそう叫びたい衝動に駆られてしまう。    


           田圃がトラクターの出番を待ってくれています。耕地を広げないと。

     田舎の百姓屋

     田舎の百姓屋

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Posted by とんび at 05:08│Comments(0)米づくり
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