2008年05月14日
棚田の風景
棚田はいつ見ても美しい。とりわけ、いい風景となるのが田植えの時期である。田圃に水がはいり、カエル達が泣き出し、早苗がそよ風に揺らめいている・・・・・・・・・・そんな光景を期待して千早赤阪村のとある一角を訪ねた。ここは棚田百選にも選定された場所で、小生のお気に入りの場所でもある。いつか外国の若者が語っていた。日本人は地域に存在している本物の財産にまだ気づいていないようだ、との言葉を思い出す。さて田圃はと思いきや、まだまだ水もはいってなかった。
ご存知の方も多いだろう場所。このカーブでタイヤを鳴らしているのは誰かな。
ここに水がはいると、いい風景となるのだが。この地域では田植えはまだのようだ。耕耘機の走行跡がついているので、準備は進んでいるようだな。それにしても狭い。どうやって耕耘機を入れたのだろう。
農作業の人にも全く出会わなかった。草刈りも終わり、耕耘機もかけた、あとは苗の出来上がるのを待つだけ、といったところだろうか。この近辺では裏作もほとんど為されていない。稲作一本のようだ。傾斜地、狭い、水が得にくい、機械使用が困難、車が出入りしにくい、地形が複雑・・・・・・いずこも同じ棚田の特性のため活用しづらいのだろう。耕作者の高齢化も一因のようだ。
それにしても何と見事な曲線なんだろ
う。とても人間が作り出した物とも思え
ないが、まぎれもなく人が作った田圃
なのだ。
人と天との合作かも知れない。
田圃の畦道で、風に吹かれながら、ぼんやりたたずんでいる小生をノアザミが笑っているかのようだった。彼らが主役の場、端のほうからそおっと覗かせていただこう。

