2009年02月11日
新しき散歩道
近場の小道を散歩するのは趣味のひとつである。とりわけ雑木林や細いせせらぎや棚田等が連なる小道は麗しい。暇を見つけてはそこかしこと歩き回るのだが、新しい発見もある。つい最近見つけたのが、富田林の郊外にある願昭寺の界隈である。近鉄の汐ノ宮駅が起点になるのだが、そこから東向きに山の中へと住宅地を登っていく。石川を渡りつづら折りの山道を登ることしばし、嶽山の中腹に大きなテラスみたいな広場があって寺院が建立されている。ネット情報によると真言系の寺院で、山号は淨心山、本尊は目白不動。八宗兼学真修教(はっしゅうけんがくしんしゅうきょう)の大本山であり、信者達の手作りによる寺院として知られているお寺だそうな。新しいお寺だけあって鉄筋コンクリート製はやむを得ないが、巨大な寺院である。置かれている鐘楼の鐘は関西一の大きさのようだ。
願昭寺の境内、なかなかいい眺めです。
関西で一番大きな鐘のようだ。
寺内をゆっくりと散策させていただく。梅の名所のようでたくさんの白梅がみごろであった。又、眺望にも優れ、南河内の全容に近い展望が開けている。地域のランドマークであるPLタワーなど目の前のようだ。いい場所を選んで建立しておられる。三々五々お参りか散歩か、来訪者も少なくはないようだ。
願昭寺から嶽山へと続く散歩コースです。
素敵だったのが、寺院の横から嶽山へと続く小道があったことだ。照葉樹林のなか落葉が積み重なった細い小道が山頂へと続いている。登り切ったところは観光農園でミカン狩りがメイン業務のようだ。冬場はお客さんもないのか閑散としていた。「本日は食事の提供はできません、やまおやじ」と書いた看板が受付に置かれていた。ミカン以外は芋掘りや栗拾い等が案内されていたので、秋のシーズンが主体のようだ。ここらは戦国期に畠山氏が城を築き河内の国を支配したとか。さすがに石垣や天守閣などの構築物は残っていないが、歴史好きな方にはまたとないフィールドであろう。もう少し行くと噂のかんぽの宿があり立ち寄り入浴も可能だ。何度か入浴させてもらったが、露天風呂から眺める金剛・葛城の勇姿がすばらしい。山帰りにここへ立ち寄り一風呂浴びてから帰宅される方が多いのもよく理解できる。
嶽山からの眺望、東部方面の金剛山を望みます。
嶽山からの眺望は特に金剛・葛城を望む東部方面と北部方面・南部方面がすばらしい。南河内の山間部が一望の下だ。小生の田舎暮らしのフィールドもここからだとよく見える。畠山氏が城を築いたのもこうした地形上の要因に基づくものだろう。眺望を楽しんだ後はオレンジロードを下っていこう。名前のとおりでミカン畑の中をくねくね曲がった舗装道路だ。降りきった地域が東條地区、富田林の農村地帯である。ミカンやイチゴや栗や柿や各種の野菜やらの他に山の清水で作る米の産地でもある。食材を求める方はこの界隈を散策されるのもいいだろう。敗戦後の買い出しではないが、リュックを背負ってハイキングと食料調達とを兼ねた野遊びはいかがであろうか。
観光農園で見つけた彫像、忘れてはならない人物ですよね。
東條地区からまだあちこちへ足を伸ばせるが、疲れたら地元の金剛バスが富田林駅へと運んでくれる。駅までは30分程度の乗車時間だろうか。